住宅ローン控除とは
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、年末の借入残高に応じて、一定額を10年間にわたり、すでに納めた所得税から還付を受けられるという制度です。
その年の所得から控除する「所得控除」ではなく、その年に発生した所得税額から直接控除額を差し引く「税額控除」ですから、その効果は非常に大きなものがあります。
よく自分の収入に関係なく、年末借入残高の1%が無条件で戻ってくると思っている人もいるようですが、あくまでも自分がすでに納めた所得税額を上限として還付される仕組みになっているので勘違いをしないようにしてください。
また、この制度は所得税を対象としていますから、残念ながら原則として住民税には関係がありません。(※ただし平成21年から平成25年まで特例措置があります)
この制度の適用を受けるには、銀行等が発行する「年末残高証明書」などの必要書類を添付して、マイホーム購入の初年度に確定申告をする必要があります。
平成20年度からの住宅借入金等控除制度(住宅ローン控除)
住宅ローン控除は、景気刺激策として昭和53年にはじめて登場しましたが、その後、景気の変化とともにその内容は変化してきました。
そして、平成21年度の税制改正においては、その制度が大幅に拡大されました。
一般住宅の住宅ローン控除
| 入居 | 控除対象額 (年末借入残高) |
控除率 | 控除期間 | 最大控除額 |
|---|---|---|---|---|
| 平成21年 | 5,000万円以下の部分 | 1.0% | 10年間 | 500万円 |
| 平成22年 | 5,000万円以下の部分 | 1.0% | 10年間 | 500万円 |
| 平成23年 | 4,000万円以下の部分 | 1.0% | 10年間 | 400万円 |
| 平成24年 | 3,000万円以下の部分 | 1.0% | 10年間 | 300万円 |
| 平成25年 | 2,000万円以下の部分 | 1.0% | 10年間 | 200万円 |
長期優良住宅(200年住宅)の住宅ローン控除
| 入居 | 控除対象額 (年末借入残高) |
控除率 | 控除期間 | 最大控除額 |
|---|---|---|---|---|
| 平成21年 | 5,000万円以下の部分 | 1.2% | 10年間 | 600万円 |
| 平成22年 | 5,000万円以下の部分 | 1.2% | 10年間 | 600万円 |
| 平成23年 | 5,000万円以下の部分 | 1.2% | 10年間 | 600万円 |
| 平成24年 | 4,000万円以下の部分 | 1.0% | 10年間 | 400万円 |
| 平成25年 | 3,000万円以下の部分 | 1.0% | 10年間 | 300万円 |
長期優良住宅とは、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に規定する認定長期優良住宅のことです。
住民税も住宅ローン控除の対象になる
平成18年度の税制改正に伴う税源移譲によって、所得税が減り住民税が増えることになりました。
多くの世帯において、所得税と住民税を合わせた年間の税負担額は変わらないと思うので、家計そのものに大きな変化は起こらないように感じるかもしれません。
税源移譲で変わる所得税と住民税のバランス

※所得税と住民税の合計額は、変わらない
しかし、住宅ローン控除を受けている世帯にとっては、所得税と住民税のバランスが変わることで、大きな損を被ることも考えられます。
なぜなら、住宅ローン控除は、あくまでも納めた所得税が還付されるものであり、納めた所得税額が少なくなれば、ローン残高にかかわらず還付の上限金額が引き下げられてしまうからです。
税源移譲で控除枠が縮小され損をするパターン

所得税額が減少したため、控除枠が小さくなり、本来であれば利用できるはずの控除が失われてしまう。
結果として、還付される税金が少なくなる!
そこで・・・
まずは、年末に発行される源泉徴収票での所得税からの控除額を確認し、自分が受けられる控除限度額に達しているかをチェックしましょう。
もし、控除しきれていない部分があると判明したら、住民税から控除を受けられる手続き(申告)をするべきです。
そうすれば、今後も控除制度を最大限に活用することができるようになります。
本来、この制度を利用できるのは、06年までに入居し住宅ローン控除の適用を受けている人に限られていましたが、平成21年度の税制改正によってこの措置が復活し、平成21年から平成25年までに入居した人にも適用されることとなりました。
また、従来の制度では、住民税におけるローン控除を利用する場合、毎年の確定申告手続きが必要でしたが、この点も改正され、各市町村への申告は不要になります。
ただし、個人住民税からの控除額は、その年分の所得税の課税総所得金額等の額に5%を乗じて得た額(最高9.75万円)が上限となります。
確定申告によって住民税からも還付をするパターン

所得税額で控除しきれなかった部分を、住民税額から控除することで、制度を最大限に活用できる!
増改築工事の場合の住宅ローン控除
既存住宅において、増改築後の床面積が50u以上となる工事代金が100万円以上の増改築にかかる住宅ローンも、この制度の対象となっています。
なお、従来は自己の居住の用に供している住宅の増改築が対象となっていましたが、平成21年度の税制改正により、居住の用に供する前に増改築して6ヶ月以内に自己の居住の用に供した場合も適用されるようになりました。
住宅ローン控除の適用要件
住宅ローン控除の適用を受ける場合の要件は、以下の内容となります。
住宅ローン控除の対象となる住宅
| 新築住宅の場合 |
| 次の全ての要件を満たす家が住宅ローン控除の対象となります。 (1) 自己の居住の用に供するための新築住宅または新築住宅で使用されたことがないものを取得すること。 (2) 工事完了日または取得の日から6ヶ月以内に、自己の居住の用に供すること。 (3) 登記簿上の床面積が50u以上であること。 (4) 居住用と居住用以外の部分があるときは、床面積の1/2以上が居住用であること。(この場合居住用の部分だけが控除の対象となる) (5) 住宅とともに取得する敷地も対象 |
| 中古住宅の場合 |
| 次の全ての要件を満たす家が住宅ローン控除の対象となります。 (1) 自己の居住の用に供するための中古住宅を取得すること。 (2) 床面積は新築住宅の場合と同じ。 (3) 新築されてから20年(鉄骨造、鉄筋コンクリート造、石、レンガ造等は25年)以内の住宅であること。 ※2005年4月以降に取得する場合は、一定の新耐震基準を満たせば築年数に関係なく適用可能 (4) 住宅とともに取得する敷地も対象 |
| 増改築等の場合 |
| 次の全ての要件を満たす家が住宅ローン控除の対象となります。 (1) 増改築の工事費が100万円を超えるものであること。 (2) 工事を行った家屋が居住用と居住用以外の部分があるときは、居住用部分の工事費用が全部の工事費用の1/2以上であること。 (3) 増改築等を行った後の住宅の面積が50u以上であること。 (4) 改築等を行った後の住宅の面積の1/2以上が住居用であること。 (5) 増改築等の日から6ヶ月以内に自己の居住の用に供すること。 |
住宅ローン控除が利用できない場合
| (1) その年の合計所得金額が3,000万円を超える年---各年毎に判定。 (2) 入居した年のほか、その年の前年、前々年あるいはその年の翌年、翌々年に居住用財産を譲渡して次のような特例の適用を受ける場合。 イ、居住用財産の3,000万円特別控除 ロ、所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例 ハ、居住用財産の買い換え・交換の特例 二、中高層耐火建築物等の建築の為の買い換え・交換の特例 (3) 中古住宅の取得の場合において、その取得が配偶者や親族等の特殊関係者(その取得時から引き続き生計を一にする者に限られます)から取得したとき。 |
