離婚したあとの住宅ローン控除
離婚による財産分割として共有者(離婚の相手方)の持分と相手名義の住宅ローンを引き取るケースがあります。
例えば、ペアローンとして夫婦がそれぞれ住宅ローンを借り、さらに持分もそれぞれ持っていたとします。
離婚をするので、片方が相手方の所有権持分と住宅ローンを引き受けることになった場合、引き受ける側は本来の自分名義である住宅ローンと、新たに引き受ける住宅ローンの二本の住宅ローンを抱えることになります。
ここで注意したいのが、住宅ローン控除の扱いです。
今までは、すでに住宅ローン控除を受けている状態で離婚した場合、新たに共有持分を取得するために借りる住宅ローンに対して住宅ローン控除を受けるのか、それとも今まで自分が受けていた控除を継続するかの選択を迫られることになっていました。
Case1:従来の住宅ローン控除を継続する場合

Case2:新たな住宅ローン控除を受けるる場合

なぜ、このような選択を強いられていたのか?というと、離婚に伴う相手方の持分買受の場合、特定親族からの買受けではなく、第三者からの買受けとみなされ、共有持分の追加取得であっても住宅ローン控除が適用できるものの、「自分がすでに適用を受けている住宅ローン控除と、追加取得した家の持分にかかる控除との重複適用は認められない」という当局の見解があったためです。
つまり、もともと自分名義だった住宅と、離婚によって取得した住宅の「2つの家」を持っているもの…とみなし、それぞれを取得するための住宅ローンについては、いずれか一方にしか住宅ローン控除は認めないよ!といった考え方です。
でも、実際には、離婚によって財産分与を受けた住宅に、自分名義の住宅ローンを2本借りている状態にあるわけですから、ちょっと納得しずらい感も否めませんよね。
事実、国税不服審判所の裁決では、このような場合「住宅を2つ持っていることにはならない」 といった判決が出されています。
これにより、平成21年2月、国税庁は「当初から保有していた共有持分と追加取得した共有持分のいずれについても、住宅借入金等特別控除が適用されるよう取扱いを改めることとした」と発表しました 。
つまり、ようやく追加取得分を含めた全部の持分に対して住宅ローン控除が適用されることになったのです。
また、こうした国税庁の取扱いが改められたことにより、過去5年分の所得税についても遡って減額を受けられる可能性がありますので、離婚による財産分与として共有者(離婚の相手方)の持分を譲り受けた方は税務署へ相談されたほうがいいですね。



