夫婦で住宅ローンを利用する場合の「収入合算」と「ペアローン」
希望する物件の価格が高く、「夫一人の収入では住宅ローンの融資額が足らない…」と、いうような場合、夫婦が共稼ぎであれば、妻の収入も利用して住宅ローンを申し込むケースがあります。
また、住宅ローン控除を世帯として最大限に活用したいといった目的で、あえて夫婦で住宅ローンを申し込むといったケースもよく耳にしますね。
いずれの場合にしろ、こうしたケースで使われる借り方が、「収入合算」あるいは「ペアローン」なのです。
当然に世帯としての借入可能額は大きくなりますから、住宅ローンの利用者にとってはメリットが大きいと思われるかもしれませんが、同時に、夫婦の収入を最大限に活用して借入を行うということは、夫一人で借入をする時よりも当然に家計へ与えるリスクが大きくなるということを、しっかりと認識しておかなければなりませんよ。
特に、妻の収入をどの程度まで返済に充てるかは、それぞれの家族構成や就業状態によって違ってくるものですから、慎重に判断すべきポイントです。
安易に、「今は、夫婦共稼ぎで家計も楽だから…」といったことだけで、収入合算やペアローンを利用することは、将来の破綻を意味すると言っても過言ではありませんので、返済計画を十分に検討した上で、利用するようにしてください。
収入合算
収入合算とは、世帯主(夫)の収入をメインに、配偶者(妻)の収入を加算し、世帯としての収入額をアップさせて住宅ローンを借りる方法です。
収入額が上がれば、当然に借入できる金額がアップしますが、反面、そもそも一人の収入では返済しきれないほどの住宅ローンを借りることになるため、配偶者が退職するなどで収入がダウンした時には、大きなリスクを負うことになります。
なお、加算される配偶者の年収は半分とする場合と全額とする場合があり、金融機関によって異なりますから注意が必要です。
Case1:収入合算による借入
夫28歳,妻26歳,年収(夫400万円、妻300万円)
世帯としての収入
400万円+(300万円÷2)=550万円⇒最大3,600万円まで
| ローンの種類 | 借入額 | 金利 | 返済期間 | 毎月返済額 | |
| 夫 | 変動金利 | 3,600万円 | 2.8% | 35年 | 13万4,559円 |
※審査金利4%、35年返済とした場合の年収に対する借入限度額と返済額
ペアローン
ペアローンとは、世帯主(夫)と配偶者(妻)がそれぞれ自分の収入を基準に、1つずつ住宅ローンを借りる方法です。
つまり世帯としては2つの住宅ローンを組むことになります。
収入合算のように、配偶者の年収を半分とみなすようなことはなく、それぞれの年収に対して借りれる金額が決まるため、世帯としての借りれる金額が大きくなるものです。
Case2:ペアローンによる借入
夫28歳,妻26歳,年収(夫400万円、妻300万円)
世帯としての収入
400万円+300万円=700万円⇒最大4,200万円まで
| ローンの種類 | 借入額 | 金利 | 返済期間 | 毎月返済額 | |
| 夫 | 変動金利 | 2,600万円 | 2.8% | 35年 | 9万7,181円 |
| 妻 | 変動金利 | 1,600万円 | 2.8% | 35年 | 5万9,804円 |
| 計 | 4,200万円 | − | − | 15万6,985円 |
※審査金利4%、35年返済とした場合の年収に対する借入限度額と返済額
収入合算とペアローンの違い
収入合算とペアローンは、一見すると、ほとんど同じように見えますが、実は、細かな部分での違いがあります。
「住宅ローン控除」や「債務者の万一の際の債務」など、長い返済期間を考えれば決して無視できない点ですから、違いを十分に理解した上で選択することが大切です。
一般的なケースでみる比較
| 収入合算 | ペアローン | |
| 主債務者 | 世帯主(夫) | 世帯主(夫)、配偶者(妻) |
| 連帯債務者 | 配偶者(妻) | − |
| 連帯保証人 | − | 世帯主(夫)、配偶者(妻) |
| 審査対象者 | 世帯主(夫)、配偶者(妻) | 世帯主(夫)、配偶者(妻) |
| 審査 対象収入 |
世帯主(夫)全額 配偶者(妻)半額※1 |
それぞれ全額 |
| 団体信用 生命保険 |
世帯主(夫)のみ加入 | それぞれ加入 |
| 夫が死亡した時 | 返済は終了 (団体信用生命保険で完済) |
妻名義のローンが継続 |
| 住宅ローン控除 | 原則は世帯主(夫)※2 | それぞれ適用可 |
| 所有権 持ち分※3 |
原則は世帯主(夫) | 夫婦の共有(借入割合) |
※1:一部金融機関では、配偶者の収入全額が対象
※2:一部金融機関では、配偶者も住宅ローン控除の対象
※3:所有権持ち分は、各々の出資金(自己資金+借入金)割合に応じて決めます。

