繰上げ返済の方法(その1)−期間短縮型
「期間短縮型」の繰上げ返済とは、当初35年返済などの条件で借りた住宅ローンを、少しでも早く終わらせた場合に行う繰上げ返済の方法です。
繰上げ返済は総支払額の中に占める金利部分を節約する効果がありますが、この繰上げ返済方法を借入後、早い段階で行うと、より大きな効果を見込むことができます。
期間短縮型のイメージ

繰上げ返済の方法(その1)−返済額減額型
「返済額減額型の繰上げ返済」とは、住宅ローンの返済中に毎回の支払が厳しくなってきた時や、金利の上昇で支払額が急に増えてしまうような時に行う繰上げ返済の方法です。
期間短縮型の繰上げ返済に比べて、節約できる利息部分は多少少なくなりますが、家計を破綻させないという意味での効果は大きいと思います。
返済額減額型のイメージ

繰上げ返済の手数料
こうした繰上げ返済を行う場合、かかる手数料に注意しましょう。
フラット35では、繰上げ返済の手数料が無料ですが、主な民間金融機関では、窓口で繰上げ返済の手続きをする際に手数料を定めているのが一般的です。
特に固定金利選択型のような住宅ローンでは、固定期間中の繰上げ返済手数料が数万円程度かかってくる場合が多く、せっかくの節約効果が減少してしまう場合もあります。
繰上げ返済の時期や、金額、その効果など、総合的に判断して、繰上げ返済は行うようにしてください。
※最近では、インターネットを使って(ネットバンキング)繰上げ返済をする場合、手数料を無料とするようなサービスが増えていますので、ぜひ上手に活用してください。
主な繰上げ返済手数料
| 銀行名 | 金額 | 繰上げ返済手数料 |
|---|---|---|
| みずほ銀行 | 100万円未満 | 1万500円 |
| 三井住友 銀行 |
100万円未満 | 2万1,000円 |
| 三菱東京 UFJ銀行 |
100万円未満 | 5,250円 |
| りそな銀行 | 1,000万円未満 | 3万1,500円 |
| 新生銀行 | 無料 | |
| ソニー銀行 | 100万円以下 | 2,100円 |
※上記手数料は固定金利選択型、期間短縮型の繰上げ返済を行った場合の手数料です。
※平成18年1月10日現在
繰上げ返済で利息を節約し、早期完済(効果1)
繰上げ返済をすることで、得られる最大の効果は、無駄な利息の支払いを無くすということです。なお、繰上げ返済を早期に行えば、この効果が大きいといわれるのは、多くの人が利用する住宅ローンが元利金等返済なため、借入当初の返済額に占める利息部分の割合が大きいためです。
また、早期完済を目指すことで、リタイア後の暮らしに余裕を持たせることです。繰上げ返済の基本は期間短縮型を選択することですから、そのことで完済年齢が前倒しされ、老後の家計にゆとりが生まれます。
では、実際に繰上げ返済がどの程度の効果をもたらすのものなのか、計算してみましょう。
繰上げ返済の節約例
借入額:3,000万円 金利1.5% 期間35年
商品:固定金利型 返済:元利均等返済
借入3年後(36回まで支払済)に繰上げ返済、返済方法:期間短縮型
| 回数 | 元金(円) | 利息(円) | 元金残高(円) | ||
| ・・・ | 繰上げ時の 残高 |
||||
| 36 | 56,785 | 35,071 | 27,999,791 | ||
| ・・・ | |||||
| 53 | 58,003 | 33,852 | 27,023,519 | 約100万円 繰上げ返済 後の残高 |
|
| 54 | 58,076 | 33,779 | 26,965,443 | ||
| 55 | 58,149 | 33,707 | 26,907,295 | ||
| 56 | 58,221 | 33,634 | 26,849,074 | ||
| ・・・ | |||||
| 70 | 59,248 | 32,607 | 26,026,294 | 約200万円 繰上げ返済 後の残高 |
|
| 71 | 59,322 | 32,533 | 25,966,971 | ||
| 72 | 59,397 | 32,459 | 25,907,574 | ||
| 73 | 59,471 | 32,384 | 25,848,104 | ||
| ・・・ | |||||
| ・・・ | |||||
| 繰上げ金額 | 繰上げた回数 | 短縮期間 | 節約利息 |
|---|---|---|---|
| 約100万円 | 19回(37〜54) | 1年7ヶ月 | 584,049円 |
| 約200万円 | 36回(37〜71) | 3年 | 1,147,117円 |
無駄な利息の節約や、期間を短縮する効果は、借りている金利が高ければより大きなものになります。
繰上げ返済で金利上昇のリスクを回避(効果2)
繰上げ返済には、銀行の住宅ローンのような返済期間中に金利が変動するタイプの住宅ローンを利用している場合の金利上昇リスクに備えるといった効果もあります。この効果は、あまり認識されていませんが、今後金利が上昇されることが十分に予想される状況では、この効果を上手に活用するべきです。
融資を受けている住宅ローンの返済額の見直しが行われる時、ある程度の金額を繰り上げ返済し、返済期間を短縮しなければ、金利上昇に伴う返済額の上昇を押さえ込むことが可能になります。
無駄な利息を削るとか、早期完済を目指すといった目的からは反れてしまいますが、当面の家計を維持するという意味では効果が大きいと思います。
例えば、固定期間選択型の住宅ローンを利用している人が、固定期間満了時点において金利が1%以上も上昇していた場合、家計へ与える影響は重く、最悪は支払不能に陥る場合もあります。
そうならないためには、固定期間の満了と同時に繰上げ返済をしてから、次のローンへ更新することをお勧めします。
金利が上昇した場合のリスク回避としての繰上げ返済例
借入額:2,000万円、商品:2年固定金利選択型、金利:1%、期間:35年
固定期間が満了した後は、変動金利(2.375%)へ切り替え
| 借入当初の返済状況(金利1%) | ||||||
| 月々均等返済額 | 5万6,457円 | |||||
| 年間返済額 | 66万7,484円 | |||||
|
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| 固定期間満了後の返済状況(金利2.375%) | ||||||
| 月々均等返済額 | 6万9,389円 | |||||
| 年間返済額 | 83万2,668円 | |||||
このままでは家計が厳しい!ので、固定期間満了時に200万円を繰上げ返済し、返済額軽減型を選択した場合
| 借入当初の返済状況(1%) | ||||||
| 月々均等返済額 | 5万6,457円 | |||||
| 年間返済額 | 66万7,484円 | |||||
|
||||||
| 固定期間満了後の返済状況(金利2.375%) | ||||||
| 月々均等返済額 | 6万2,098円 | |||||
| 年間返済額 | 74万5,176円 | |||||
このように、繰上げ返済をすることによって、金利が1%以上も高くなっているにもかかわらず、家計へ与える影響を低く抑えることができます。

