対象となる建物への制限
床面積において、「登記簿面積(内法面積)で50u以上かつ2分の1以上が居住用である」ことが必要になりますから、マンションのように登記簿面積よりも一回り大きい面積となる専有面積(壁芯面積)が表示されている物件では、登記簿面積との誤差に注意してください。
また、面積の要件は、あくまでも購入する建物全体の床面積を意味しています。
例えば、専有部分の登記簿面積が80uのマンションを夫婦共有名義で購入したとします。
夫、妻ともに持分を半分ずつとすると、それぞれが所有する床面積は40uとなり、規定の50uを下回ってしまいます。
しかし、建物全体の床面積としては80uあるわけですから、当然に、この場合でも住宅ローン控除の適用を受けることが出来ます。
また、中古住宅に関する建築時期による制限等があります。
マンションなどの耐火建築物では築後25年以内、それ以外の建築物では築後20年以内のものが、住宅ローン控除の対象となります。
ただし、法改正によってこれらの年数を満たさない中古住宅でも一定の耐震基準を満たしたものは制度の対象となるので、あまり築後年数に関しては気にしなくても大丈夫なようになりました。
マンションで控除の対象となる面積

土地と建物を別々に購入する場合
そもそも住宅ローン控除とは、建物の取得にかかる部分の借入に対してのみ適用されるものでしたから、土地を買って、その後建物を別に注文して建築する場合などは、その時期や持分などに注意する必要があります。
時期については、次の点で注意してください。
まず土地を取得してから2年以内に建物を建てること。かつ、その土地の上に新築される建物を目的とする抵当権が設定されること。
そして、その新築される建物に対しての住宅ローンがない場合は、住宅ローン控除の適用が受けられないということ。
つまり、法改正されたとはいえ、土地購入だけが目的の借入では住宅ローン控除はやはり適用されないのです。
次に持分についての注意点ですが、やはり建物を中心に考えることになります。
例えば、土地2,000万円、建物1,800万円のマイホームで考えてみましょう。
土地代金は現金で夫が支払ったため、夫の単独名義として登記を行い、建物を妻名義で全額借入したとします。
住宅ローンは共同で返済するつもりで、建物の持分を2分の1づつとした場合、妻は1,800万円に対してではなく、半分の900万円に対してのみ住宅ローン控除を受けることになります。
そして夫は債務者ではありませんから、当然に住宅ローン控除を受けることはできません。
Case:
土地2,000万円、建物1,800万円、土地は夫が現金で購入、建物は妻名義で全額借入
持分は土地:夫の単独名義 建物:夫婦で1/2ずつにした

@妻の取得費
1,800万円×1/2=900万円
A妻の住宅ローン残高
1,800万円
@とAのどちらか少ない方が住宅
ローン控除の対象となるため、妻は900万円までしか制度を利用できない。
共有名義と控除額の関係
住宅ローン控除は、マイホームを購入するために住宅ローンを借りた人がそれぞれ利用できる制度となっています。
そこで、夫婦共稼ぎ世帯などでは、この制度を最大限に活用するため、夫婦それぞれが住宅ローン控除によって所得税の還付を受けられるような住宅ローンの組み方を検討する場合が多く見受けられます。
例えば、ペアローンのように夫婦がそれぞれ主債務者になるような借り方をすれば、当然に、それぞれの年末借入残高に応じた分の控除による還付を受けることが可能になります。
また、夫を主債務者とし、妻を収入合算者として連帯債務者にするような借り方の場合も、原則としては夫婦それぞれが控除を受けられることになります。(一部金融機関では妻が住宅ローン控除を受けられない場合もあります)
なお、よく勘違いされる人がいるのですが、連帯保証人の場合は、住宅ローン控除を受けることはできません。
例えば、マイホーム購入資金の一部として頭金を妻が支払い、残りの部分は夫の自己資金と住宅ローンで賄ったというような場合、妻は夫の住宅ローンに対して担保提供者という立場になり連帯保証人になりますが、連帯債務者ではありませんから、妻が住宅ローン控除を受けることはできないのです。
繰上げ返済をする時
マイホーム購入当初、10年以上の返済期間を有する借入金という規定に関しては、多くの人が長期間の融資を利用されるので、さほど大きな問題点にはならないでしょうが、その後、繰上げ返済を行う際には多少の注意が必要になります。
例えば、15年返済で借入した住宅ローンで、3年目に繰り上げ返済をしたとします。
繰上げ返済によって返済期間が短縮され、残り9年となれば、3年+9年でトータル12年の借入となりますから、この場合は住宅ローン控除の適用を受け続けることが可能です。
ところが、12年返済で借入し繰上げ返済をした結果、残りが6年になってしまったとすると、9年+6年でトータル9年となり、10年未満の借入となってしまいます。
そうなると、住宅ローン控除の適用要件から外れることになりますから、住宅ローン控除の適用は打ち切りとなってしまうのです。
つまり、期間短縮型の繰上げ返済を行う場合は、注意が必要ということです。
繰上げ返済を行ったことによって、返済期間が短縮された結果、すでに支払い済みの返済期間と繰上げ返済後に残った返済期間を足して10年に満たなくなってしまうと、その時点で住宅ローン控除は打ち切りとなってしまいますから、こういった場合には、返済額減額型の繰上げ返済を選択しましょう。
繰上げ返済と住宅ローン控除の適用イメージ
住宅ローン控除を継続できる場合

住宅ローンが打ち切りになる場合

住宅ローン控除の再適用
マイホームを取得して住宅ローン控除の適用を受けていた人が、転勤などで引越しをしてしまうと、原則として、その時点で住宅ローン控除は打ち切りとなります。
ただし、すでに住宅ローン控除の適用を受けている人が、平成15年4月1日以降で勤務先から転勤の命令など、やむを得ない事情で、その家を転居しなければならなくなった場合は、一定の要件の下、再入居したときに住宅ローン控除の再適用を受けることができます。
なお、従来の制度では、住宅を新築または取得して居住した日から、その年の年末までに転勤してしまった場合、その後、再入居しても住宅ローン控除を受けることができませんでしたが、平成21年度の税制改正により、このようなケースでも、当初入居年における居住を証明する書類を提出するなど一定要件の下で再入居した年から住宅ローン控除が受けられるようになりました。
再適用のイメージ

