土地と建物を別々に購入する場合
住宅ローンは、そもそもその土地に家を建てて暮らすという目的で不動産を購入する人に対して融資されるものです。
したがって、土地だけを買うという場合、融資条件が厳しくなる場合がありますので、資金計画を立案する際には注意が必要です。
土地のみを購入する場合、一般的には、土地代金の60%程度までしか融資をしてもらえず、さらに土地の購入から1年〜3年以内に家を建てて、土地所有者本人が住むことを条件としています。
そのため、購入資金としては、頭金が相当額必要になってきます。
また、その後の建物の建築請負契約にも手付金や工事着手金などが必要になることを考えると、必要となる自己資金の金額は総予算の半分以上持ってないと厳しいということです。
そこで、こうした資金繰りをなんとかするための手段として、土地売買契約から土地の決済までの間に、建物の建築請負契約を済ませ、金融機関に対しては土地と建物の2つの契約書を提出する方法があります。
こうすることで土地の購入時期と建物の建築時期が異なる場合でも、建売住宅を購入する時のように、土地建物の合計金額に対して90%とか、100%の住宅ローンを申し込むことが可能になるのです。
また、代金の支払い時期に応じて、融資金を分割(これを分割実行と言います)してもらうことも可能ですから、このようなケースでは金融機関へ事前に相談をしておくことが肝心です。
中古住宅を購入する場合
中古住宅においては、住宅ローンの審査に影響を及ぼす点として@建築基準法への適合可否と、A新築からの経過年数 が挙げられます。
既存不適格建築物・違反建築物
現行の建築基準法と照らし合わせて建物が違反している場合、原則として住宅ローンを利用することはできません。
平成バブルの頃に建てられた住宅などは、現行の建築基準法に違反している場合が多く見受けられるため注意が必要です。
ただし、金融機関によっては独自の基準をもうけ、一定範囲内の違反建築物であれば融資を行う場合もあるようですから、もし顧客の検討している物件が建築基準法に違反しているようであれば事前に金融機関へ確認をしておくことが肝心です。
| 「既存不適格建築物」と「違反建築物」の違いは? |
| 既存不適格建築物とは、建物の建築後、用途地域等の変更や建築後に都市計画区域等の指定があったこと等によって、現存する建物が現在の指定する建ぺい率あるいは容積率の制限に違反している場合の建物を指します。 一方、違反建築物とは、接道義務を満たしていなかったり、売主の不法な増改築によって建築基準法に違反しているなどの場合を指し、法令等に基づく是正命令等を受ける可能性があります。 |
築年数による返済期間の制限
中古物件では、新築されてから何年経過しているのかによって、購入者自身の年齢による返済期間の制限とは別に、住宅ローンの返済期間に上限を設けられている場合があります。
たとえば、築15年の木造一戸建住宅を検討していた場合、返済期間制限を45年としている金融機関に住宅ローンを申し込めば、申込人の年齢制限にかかわらず、最長で30年までの返済期間しか設定できないことになります。
一般的な目安ですが、木造で45年、マンションなどのコンクリート造で55年から65年程度の基準を設けているようです。
返済期間によって、同じ金額の住宅ローンを申し込んでも、月々の返済額が大きく変わりますし、同じ年収でも借入可能額が変わりますから、注意が必要です。
現状と不動産登記簿の記録内容が異なる場合
不動産は、その所在地を管轄する法務局の出張所にある不動産登記簿に、その概要や権利関係が記録されています。
ところが必ずしもその不動産登記簿に記録された内容と、現状とが一致するとは限りません。
土地と建物にある記録内容の不一致は、住宅ローン審査に少なからず影響を及ぼしますので、注意が必要です。
土地の場合
不動産登記簿に記録された土地面積と、実際に測量した面積が異なる場合があります。
この理由はさまざまですが、多くは、昔と今とで土地の測量方法が大きく異なり、また精度も大きく違う点が考えられます。
よくあるケースとしては、不動産登記簿に記録された面積より、実際に計った面積のほうが大きいというものです。これを「縄のび」といいます。
住宅ローンの審査対象面積は、原則として、あくまでも登記簿面積となりますが、あまりにも現状との誤差が激しい場合や、実際の面積では建築基準法に違反しないが、登記簿面積で見ると違反してしまう場合などは、地積更正登記(登記簿面積を現状の面積に修正する行為)を金融機関から求められる場合があります。
なお、不動産登記簿上の面積では建築違反にならないが、実際の面積に対しては建築違反になるような場合でも、融資否認されることがありますので、注意が必要です。
建物の場合
古い建物や増改築を繰り返しているような建物にあるケースですが、実際にある建物が登記されていない場合があります。これを未登記建物(部分)といいます。
未登記部分のある物件に対しては、原則として住宅ローンの融資が行われませんので、売主は、買主が利用する住宅ローンの実行までに、未登記建物(部分)の表示登記をした後、所有権の保存登記をする必要が生じます。
