不動産投資の種類
一口に不動産投資といっても、その種類は大きく2つに分けることができます。
1つは、実際に不動産を購入し、そこから収益を得る『現物不動産投資』で、もう1つは、証券化された不動産を多くの投資家とともに購入し、不動産から得られる収益を配当として受け取る『証券化不動産投資』です。
不動産投資のスタイルとして一般的なのは、実際に賃貸不動産を購入し、所有者として賃貸経営をするというものでしょう。
いわゆる大家さん業です。
ただし、現物(=不動産)を手にすることでの満足感や安心感を得られる反面、現物を持つがゆえのさまざまなリスクも持たなければならりませんし、期待するほどの高い利回りを得られない場合も珍しくないので、もし、現物の所有にこだわらないというのなら、他の不動産投資についても検討してみるといいでしょうね。
現物不動産への投資
現物(=不動産)への投資は、もっとも一般的な不動産投資と言えます。現物投資の特徴といえば、なんといっても不動産を直接的に所有できることによる満足感なのかもしれませんね。
また、不動産価格が上昇していれば、保有時に発生するインカムゲイン(=家賃収入)にとどまらず、売却することで生じる大きなキャピタル・ゲイン(=売却益)が期待できる点も挙げられます。
キャピタル・ゲインは、短期間で大きな収益を得る手段となるため、投資効率を考えると、大きな魅力となります。
ただし、これはあくまでも不動産価格が上昇しているときのお話…。
バブル崩壊に見るように、不動産価格が下落すれば、当然にキャピタルゲインは狙えません。それどころか、多額のキャピタル・ロス(=売却損)が生じる可能性が十分に考えられます。
このあたりの見極めがとっても難しいところですね。
特に、マンション投資のように、土地資産割合の低い現物投資には注意が必要ですよ。
なお、現物不動産は、株などと違って、時間の経過とともに必ず老朽化(資産劣化)します。永遠に持ち続けることは、資産の減少を意味しますから、いずれ手放すことを視野に入れて、投資をしなければなりません。
また、現物は流動性が低いので、自分が売りたいときに売れるものではないことにも注意が必要です。
将来、値上がりするか否か・・・?
ここが、現物投資を成功させるか否かの分岐点となりますね。
さらに、現物を持つには、多額の資金が必要になりますから、リスクも大きくなることを覚悟する必要があります。
こうしたリスクと、リターンのバランスを考えて、現物投資に踏み切ることが大切ですね。
証券化不動産への投資
バブル経済崩壊後、経済回復への足かせとなっていたのが、金融機関の過剰融資と地価暴落による大量の不良債権です。
これを打開する切り札として1998年(平成10年)、「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律(SPC法)」が導入され、それまで現物資産でしかなかった不動産を証券化することで、金融商品としての取引ができるようになりました。
2000年(平成12年)、「SPC法」は「資産の流動化に関する法律(資産流動化法)」へと改正され現在に至っています。
また、同じ年、「証券投資信託及び証券投資法人に関する法律(証券投資信託法)」も「投資信託及び投資法人に関する法律(投資信託法)」へと改正され、有価証券のほかに不動産なども運用の対象とすることができるようになります。
その結果、ファンド型の証券化商品が誕生しました。その中心的な存在が日本版REIT(J−REIT)です。
この証券化不動産が登場した当初、投資するユニットが数千万円から数億円単位のものが一般的だったため、特定の機関投資家による投資が中心でしたが、2001年(平成13年)に東京証券取引所で不動産ファンドが上場する場合のルールが決定されると、1口50万円程度で公募されるようになり、個人投資家なども自由に参加できることで市場が拡大したのです。
不動産の証券化とは、不動産に対する権利(所有権など)を細分化し、株式や社債などを証券にして市場に流通させるというものです。
投資家は、不動産そのものを購入するのではなく、株券などを購入するのと同様に証券を購入し、その不動産から得られる賃料や売却益などの収益を分配金として受け取るようになります。
この投資スタイルの特徴としては、小額から不動産投資に参加することができるという点と、不動産自体がもつ換金性のデメリットを回避することができるという点でしょう。
また、複数の不動産へ投資をすることで、空室リスクなども大きく軽減され、安全性を高めることができます。
株式投資の持つ高い流動性と、不動産投資の持つ安全性を兼ね備えた投資スタイルと言えると思いますが、収益性の面では、どうしても賃料収入が基本収益となるため、株式のような高いリターンは期待できませんね。
日本版REIT(J-REIT)の仕組み
不動産投資に関する特定の業務のみを行う法人(投資法人)を設立し、投資家に対して投資口(株式会社における株式に相当するもの)を発行することで資金を集め、運用会社に運用を委託し、投資家に収益を分配する仕組みになっています。

