究極の空室対策は、退去者を出さない
さまざまな空室対策がある中で、究極とも言える空室対策は、今、入居している人を出さない!ということではないでしょうか。
昔と違って、東京ルールの施行以来、家主は退去時に敷金の返還を余儀なくされるケースが多くなり、入居者の入れ替えにともなう臨時収入が得られにくい状況にありますからね。
2年で退去する場合でも、6年で退去する場合でも、家主のリフォームに対する費用負担は同じようにかかり、短期で入居者を回転させるメリットが薄れかけている今、とにかく優良な入居者に長く住んでいただくという方針が、経済面でみる空室対策として有効だと思います。
また、長期入居をする賃借人は、住民としてのモラルも高くなり、建物の質を維持するうえでも大変ありがたい存在となるはずですから、資産面でみても家主にとって、決して悪いことではありませんよね。
では、長期入居を実現するには、どうすれば良いのでしょうか?
もっとも簡単な方法は、賃借人とコミュニケーションをとり続けるということです。
その代表的な方法に、メールを使った回覧板(めるまが)があります。
今どきメールを使わない人を探すのが大変なくらい、メールは私たちの生活の中に浸透していますから、これを利用しない手はありません。
家主から、定期的に「めるまが」を発行し、賃借人とのコミュニケーションを図っていきます。
賃借人からの要望やちょっとしたアンケートを取ったり、更新のご案内をしたり、イベントや地域情報の案内をしたりと、その活用方法はかなり幅広いものが考えられます。
メールなら、相手の読みたいときに読むことができますし、また簡単に読み手側から返信することもできますから、紙による回覧板よりも双方向性が高く、有効なコミュニケーション手段と言えるでしょう。
こうして家主と賃借人との距離をほどよく縮めておくことが、入居者の居心地を良くし、長期入居へと役立つはずです。
フリーレントの活用
事業用の賃貸物件では、ごく当たり前のようになってきたフリーレント(1〜2ヶ月分の賃料をタダにする)ですが、住宅用にも適用するケースが増えてきました。
入居者にとって非常に負担が大きいのが、入居時の初期費用ですが、この部分を軽減することで入居しやすくするのが目的です。
短期的に見れば、確かに賃料収入が減ることになりますが、長期的に見れば数ヶ月間もの間、空室にしておくよりも年間収入が増える場合が十分に考えられます。
また、賃料を下げる必要もないので、入居者が長期入居をした場合には、より大きな効果が見込めます。
定期借家契約の活用
繁忙期(2月〜4月)に成約できなかった場合、次の繁忙期である3月までの期間を定めて定期借家契約にします。
定期借家契約にすることで、当然に賃料は通常よりも下げることになりますが、単に空室対策として恒常的な賃料の値下げをするのとは意味が違います。
なぜなら、一旦値下げした賃料を元に戻すのは非常に困難ですが、契約条件(期間や更新の可否)が借主にとって不利なため値下げをしただけで、通常契約の場合には通常の賃料であるという理屈は、お客様の納得も得られやすいものだからです。
もし、この定期借家契約にて入居したお客様が、引き続き入居を希望する場合などは、通常の賃貸借契約に戻すとともに、更新が可能となるため通常の賃料に戻すことも容易になります。
