不動産投資の効果
不動産を使って投資を考えるとき、その投資効果には2種類あります。
1つは、不動産を売買することによって得られる売却益(=キャピタル・ゲイン)効果と、もう1つは、毎月の賃料収入にみられる保有収益(=インカム・ゲイン)効果です。
バブル経済の頃は、不動産投資にこの2つの投資効果が見込めましたが、地価の下落が続く現状では、インカム・ゲインに重点を置いた投資とならざるを得ない状況にあります。
とはいえ、実際に、不動産投資をどの程度の期間行うのかによって、この投資効果に対する期待は変わってきます。
また、投資期間に応じて、取得すべき不動産の種類も変わってくる点に注意をしましょう。
たとえば、長期保有を前提に不動産投資をするなら、当然に新築か或いは築年数の浅いものを取得しなければなりませんし、短期保有を前提にするならば、流動性の高いもの(希少性がある、立地にブランド力があるなど)を取得しなければなりません。
不動産投資の短期運用と長期運用
| 投資対象 | ||
| 短期運用 | 将来の売却価格をある程度予想した上で購入し、売却にともなう利益または損失と、保有期間中に得られる収益を差し引いた投資効果を考える。 | 高い収益力のある不動産(流動性の高い物件) |
| 長期運用 | 長期保有の最大のリスクである空室率と修繕費を軽減できるような不動産を購入し、インカム・ゲインを中心に投資効果を考える。 | 保有リスクのなるべく少ない不動産 (新築、築浅物件) |
短期運用の投資効果
不動産投資を短期運用で考えた場合、当然にキャピタル・ゲイン(またはキャピタル・ロス)を考慮しておかなければなりません。
万一、大きなキャピタル・ロスが発生してしまうと、いままでコツコツと貯めたインカム・ゲインがすべて吹き飛んでしまいますからね。
現状のように、地価の下落が続いている状況では、ある程度のロスは覚悟しておいたほうが無難ですから、当然に、このロス部分と、それまでのインカム・ゲイン部分を差し引きして、トータル収支が黒字になるよう事業計画を立てておく必要があります。
この事業計画に適した不動産といえば、利回りの良い中古不動産ということになるでしょう。
Case:
価格2,000万円、表面利回り6%、月額賃料10万円の投資用不動産を購入し5年後に売却します。
売却時の利回りを7%に設定すると、予想収益価格(売却価格)は、1,640万円です。

不動産価格を比較すると、360万円のキャピタル・ロスが発生していますが、投資全体の収支を見ると2,000万円の元本を年利2.5%で5年間複利運用したことになっています。
不動産投資における成功のカギは出口戦略
不動産投資に限りませんが、投資を行うとき、成功するか失敗するかの分岐点は、出口戦略にあると言っても過言ではないでしょう。
なぜなら、投資をしている最中(運用中)は儲かっていても、投資を終わらせる時(売却時)に大きく損をしてしまえば、もともこもないからです。
不動産投資の中でも、現物投資をする人は、運用収益(キャピタルゲイン)ばかりに気をとられ、処分するとき(キャピタルゲインまたはキャピタルロス)までを考えていないケースが多く見受けられますが、これはとても危険な投資スタイルだと思います。
株式投資に利益確定売りがあるように、不動産投資にも、ある程度の利益を得たところで売却するといった考え方が必要だと思うのです。
特に、現物(=不動産)は、時間の経過と共に、確実に劣化するものですから、ある程度の周期で、資産の入れ替えを行っていくことが、不動産投資を成功させる上で重要な要素となるはずです。
収益力と維持費、不動産価格の動向を見極めながら、どの程度の期間保有するべきかを考え、それに適した不動産の取得をすることが不動産投資の基本だと思いますね。
