『プチ大家』さんって、どんな人たち?
不動産投資は、ある一定周期でそのブームを迎えているように感じます。
数ある投資手法の中で、手元の資金(種銭)があまりない人でも始めることができるのが不動産投資ですから、そうしたお手軽感というのも、ブームを支える1つの要因かもしれませんね。
サラリーマンをしながら賃貸経営
なぜ、数ある副業の中で“大家さん”は人気があるのでしょう?
それは、少ない自己資金でも大きな投資が出来ることと、自分の手間がかからないということではないでしょうか。
不動産投資で実際に収益物件を購入する際には『アパートローン』などが利用できますし、入居者がいる限り、毎月決まった日に『お家賃』という収入が入ってきますからね。
面倒な管理は管理会社が代行してくれるから、大家さんはただ通帳を眺めているだけ…。
これが時間に縛られているサラリーマンの方々にはたまらなく好都合であり、魅力的な部分なんでしょうね。
持ち家(所有)志向から賃貸(利用)志向へ
不動産と言えば、『まず、マイホームを買う』という意識が根強いのが我が国、日本なんですが、バブルの崩壊(=土地神話の崩壊)あたりからこの考え方も随分と変わってきたようですよ。
なぜなら、自分は賃貸マンションに暮らしながら、収益物件として不動産を2〜3つ所有しているという人が増えているんです。
いや、むしろ『プチ大家』さんで成功している人のほとんどが、このパターンなんですね。
「不動産は所有しているからこそ価値がある」と思っていた時代から、「不動産は利用してこそ価値がある」という時代に変わってきた証です。
「妥協して建売住宅を購入するくらいなら、駅から近くて便利できれいな賃貸マンションに住みながら、自分の家の家賃を他人から得る家賃で払ってもらったほうがいい・・・」
こんな、ごく自然な考え方で『プチ大家』さんをはじめる人が成功への第1歩を踏み出しているんですね。
兼業大家の失敗例・・・3つの大きな落とし穴
バブルの頃、営業の電話や不動産広告などで兼業大家さんが大流行しましたね。
「ローリスク・ハイリターン」・「老後の年金資金」・「節税対策」などの文句が紙面を飾り、日本全国1億2千万人、総不動産屋!なんて言われた時代です。
不動産の知識などまったくない人が、銀行に預金を預けるような感覚で簡単に投資用ワンルームマンションを購入していました。
この状況は今もあまり変わっていないようです。
バブルの頃に比べれば、先を争うように投資用不動産を購入するということはなくなりましたが、それでもバブル崩壊後の地価下落に伴う収益率の改善が本来の不動産投資における魅力を改めて引き出し、『プチ大家』さんブームの追い風になっていることは間違いありません。
ここで、『素人兼業大家』さんたちがハマってしまう主な落とし穴のお話しをしましょう。
もともとの収支計画に無理がある。
現金で物件を購入しない限り、家賃収入はまるまる所得になりません。上がってくる家賃収入からアパートローンを差し引いて、残りが実収入となります。
さらに新築にもかかわらず空室リスクを回避するためということで、家賃保証などを管理会社に依頼すれば、そもそもの家賃が9割程度に減額されてしまいます。
不動産広告を見ていただければわかると思いますが、この時点で「ほとんど儲けがない」というのが一般的な新築として売りに出されている収益物件なのです。
ここで営業手法としてアピールされるのが、損益通算による所得税の還付金です。
不動産所得は高い利払いや管理費・修繕費などが経費として控除されますから、税務上は家賃がまるまる所得として見られるわけではないんですね。
不動産所得から控除しきれない経費は他の所得からも差し引くことが出来ますから、サラリーマンの場合は源泉徴収された税金を還付させることも出来るんです。
つまり、「収益物件自体はほとんど収益を上げなくても、税金還付で年間何十万円も得をするんですよ」がつかみ文句。
「ローンの支払いさえ終わってしまえば、家賃はまるまるご自分のものですからね」が落とし文句。
そもそも節税は利益が上がっているからするものです。節税部分を利益と考えるような賃貸経営が成り立つと思いますか?
今のように給料が現状維持、もしくは減額される・・・なんてことが続けば、肝心な還付金の元となる源泉徴収税が減ってしまいます。
どんなに経費を上げて損益通算しようとしても、元の納めた税金が減ってしまえばそれまでなのです。
損益通算による税金還付は兼業大家さんとしての大きなメリットの1つではありますが、そのことを収支の中心に据えるような収支計画では、ダメなんですよ。
目の届かない物件の購入は財産放棄と一緒。
分譲する業者側にとって、利回りは重要な要素です。
少しでも高利回りな物件としてアピールしたいので、地方都市の物件を提案することは珍しいことではありません。
都心と違って不動産の取得費を安く抑えられる割りに、家賃設定をある程度見込めるのが地方都市です。
新築や築浅の物件であれば空室になる可能性も随分と低く、まさに素人に売る商品としては「売りやすい」ものなのですね。
遠方の物件を購入する場合、当然、土地勘もなく知人もいないというケースがほとんどです。
購入後の賃貸管理について、特に頼むあてもないというのが一般的でしょう。
ここで分譲会社にとってその物件が本当に自信のある物件であれば、管理をグループ会社などに任せて販売後の管理収益を狙ってくるでしょう。コピー機などのリース商品と一緒で、本体そのものの利益より、メンテナンス料でしっかり儲けるという構造は不動産でも同じなんです。
損も得もたいしてない状況で所有し続ける大家さん。一方、分譲時の利益と管理収益でしっかり儲ける業者さん。現実はこんなもんなんですよ。
「老後の年金代わり」は、冷静に考えれば無理な話し。
よく「老後の年金代わり」という言葉を耳にしますが、ちょっとまってください。
40歳代の頃に購入した物件。あなたが定年退職する頃は築何年ですか?
新築で購入したとしても築20年程度になってしまいます。幸いローンの返済が完了していたとしても、当初のような家賃収入は得られませんよね。
「10年一昔」とよく言いますが、今は2〜3年も経てば生活に密接するインフラ設備は大きく様変わりします。
内装をリフォームすれば家賃が下がらないというほど、消費者は甘くありません。
その時代にあった設備、流行、価値観というものに合っていなければ、妥当な家賃は払ってもらえないのです。
「20年後に収支が黒字になればいい・・・」という考え方が、そもそも賃貸経営を行ううえでおかしいのです。他の業種と違って、賃貸経営は初年度から黒字にならなければダメなんです。
本当に老後の年金として考えるのであれば、それまでにしっかり黒字を出して収益をストックし、築年数が経過して不良資産になる前に売却換金するというような長期計画をくみ上げておかなければならないんですよ。
大家さんになってから、守るべき掟!
『プチ大家』さんとサラリーマンとの大きな違いは税金です。
サラリーマンの方は毎年年末になると年末調整という1枚の紙で税金の手続きが完了してしまいますが、『プチ大家』さんはそうはいきません。毎年確定申告をしなければならないのです。
「自分はよくわからないから、税理士に頼めばいいや」では『プチ大家』さん失格ですよ。
『プチ大家』さんは何でも出来ることは自分でやるのが基本(掟!?)です。
もともとわずかな家賃収益しかないのですから、報酬額の高い税理士に会計を頼んだら元も子もありません。
じゃあ、自分で独学しなければならないのでしょうか・・・?
いいえ、各地域にある青色申告会へ行きましょう!!!
ここに行けば帳簿のつけ方から申告書の書き方まで丁寧に教えてくれますよ。
もともと賃貸経営の場合、特に『プチ大家』さんによくある区分所有オーナーであれば、それほど難しい会計処理はありません。
1度教わってしまえば、後は毎月同じような内容を記帳していく程度です。
わからないことが出たら、青色申告会に聞けばすぐに教えてくれます。
記帳代行や申告書作成費用など税理士に依頼する場合の費用は年間でかなりの額になります。
せっかく稼いだ家賃なんですからね。「もったいない、もったいない・・・」です!!!
賃貸経営3つの掟!
- 大家としての自覚を持ち、日々トレンド情報の収集をすべし!
- リフォーム・修繕など自分でやれる事は、自分でやるべし!
- 税理士に頼まず、青色申告会を活用すべし!
